借金問題に直面している多くの人々にとって、債務整理は新たな生活をスタートさせるための重要な手段です。
しかし、債務整理にかかる費用について理解がないと、手続きを進めることに不安を感じることもあります。
本記事では、債務整理にかかる費用相場を詳しく解説します。
債務整理の種類ごとの費用や、費用を抑えるための方法など、知っておきたい情報を網羅しています。
これを読むことで、債務整理を検討する際に費用に関する正しい知識を得ることができ、適切な対応が可能になります。
借金の解決を目指している方にとって、この記事が役立つ情報源となることを願っています。

債務整理にかかる費用相場とは?
債務整理には、「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3つの主な種類があります。
それぞれにかかる費用は異なり、依頼する専門家や手続きの内容によっても変動します。
この章では、債務整理全体の費用相場の概要を解説します。
債務整理の費用相場の全体像
債務整理の費用は、法律事務所や司法書士事務所によって異なりますが、大まかな相場を把握しておくことが大切です。
費用は、主に依頼する専門家の種類や手続きの内容、債務額の大きさなどによって決まります。
一般的に、債務整理にかかる費用には以下のような内訳があります。
- 相談料:無料から1時間5,000円程度
- 着手金:1件あたり2万円〜5万円程度
- 成功報酬:1件あたり2万円〜20万円程度
これらに加えて、書類作成費用や実費が加算される場合があります。
具体的な金額は後述する「種類ごとの費用相場」で詳しく説明します。
どのくらいの費用が一般的か
債務整理にかかる総費用は、数万円から数十万円程度が一般的です。
ただし、任意整理のような比較的簡単な手続きでは費用を抑えられる一方、個人再生や自己破産は手続きが複雑なため、高額になる傾向があります。
例えば、任意整理の場合、1社あたりの手続き費用が2万円程度から始まるのが一般的ですが、自己破産では20万円以上かかることが多いです。
さらに、弁護士と司法書士で料金が異なる場合もあり、詳細は次章で説明します。

債務整理の種類ごとの費用相場
債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産の3種類があります。
それぞれの手続きに必要な費用を把握することで、自分に合った方法を選ぶ際の参考になります。
任意整理の場合の費用相場
任意整理は、借金の減額や返済期間の延長を交渉する手続きです。
この手続きでは、比較的低コストで借金問題の解決が目指せます。
任意整理の費用は、1社あたり2万円から5万円程度が一般的です。
また、事務所によっては成功報酬として減額された金額の10%〜20%を請求される場合もあります。
例えば、借金を3社からしている場合、着手金として6万円〜15万円程度が必要になることがあります。
また、相談料は無料としている事務所も多く、初期費用を抑えやすいのが特徴です。
ただし、複数の債権者がいる場合や交渉が長引く場合は、追加費用が発生することもあるため注意が必要です。
個人再生の場合の費用相場
個人再生は、裁判所を通じて借金を大幅に減額する手続きで、住宅ローンを残しながら借金問題を解決できる点が特徴です。
個人再生の費用は、弁護士に依頼する場合で30万円〜50万円程度が相場です。
この費用には、裁判所への提出書類作成や手続き代行料が含まれます。
また、裁判所に支払う費用として、予納金や申立手数料が必要です。
これらの実費は約2万円〜5万円程度とされています。
住宅ローン特則を利用する場合は、さらに追加料金が発生する可能性があります。
手続きの複雑さや債務額によっては、総費用が50万円を超えることもあるため、事前に費用の見積もりをしっかり確認することが重要です。
自己破産の場合の費用相場
自己破産は、裁判所に申し立てを行い、全ての借金を免除してもらう手続きです。
この手続きでは、他の債務整理に比べて費用が高額になる傾向があります。
弁護士に依頼する場合、自己破産の費用は約20万円〜50万円程度が相場です。
この金額には、裁判所に支払う実費や書類作成費用などが含まれます。
一方、司法書士に依頼する場合は、費用が10万円〜30万円程度に抑えられることがあります。
ただし、司法書士は簡易裁判所までの手続きしか対応できないため、ケースによっては対応が難しい場合もあります。
また、免責不許可事由がある場合や管財事件として扱われる場合は、さらに追加費用が発生することがあります。
このような場合には、予め専門家に相談しておくことが大切です。

弁護士や司法書士に依頼した場合の費用相場
債務整理を進める際、多くの場合、弁護士や司法書士に依頼することが一般的です。
ここでは、それぞれの専門家に依頼した場合の費用相場について詳しく解説します。
弁護士に依頼した場合の費用内訳
弁護士に依頼する場合、費用の内訳として以下が挙げられます。
- 相談料:無料または30分5,000円程度
- 着手金:1件あたり3万円〜5万円程度
- 成功報酬:減額された金額の10%〜20%
- 実費:数千円〜数万円
弁護士は、複雑な案件や裁判所を通じた手続きに対応できるため、安心感があります。
また、多くの事務所で無料相談を実施しているため、まずは相談してみることをおすすめします。
特に、個人再生や自己破産など裁判所を通じた手続きでは、弁護士に依頼することで手続きがスムーズに進む場合が多いです。
司法書士に依頼した場合の費用内訳
司法書士に依頼する場合、費用は弁護士に比べて低めに設定されていることが一般的です。
以下がその内訳です。
- 相談料:無料または30分5,000円程度
- 着手金:1件あたり1万円〜3万円程度
- 成功報酬:減額された金額の10%〜15%
- 実費:数千円〜数万円
司法書士は、簡易裁判所での手続きに対応することが可能です。
ただし、対応できる案件が制限されるため、手続きの内容によっては弁護士に依頼する方が良い場合もあります。
特に、債務額が140万円を超える場合や、裁判所を通じた複雑な手続きが必要な場合には、司法書士では対応できない点に注意が必要です。
弁護士と司法書士の費用の違い
弁護士と司法書士の費用には明確な違いがありますが、それぞれの専門家に依頼する際には、費用以外の要素も考慮する必要があります。
一般的に、弁護士は司法書士に比べて費用が高い傾向がありますが、以下のような点で優れています。
- 裁判所を通じたすべての手続きに対応可能
- 法的なトラブルや複雑な案件の対応に強い
- 交渉力や解決能力が高い
一方で、司法書士は費用が比較的安く、特に任意整理や簡易裁判所を通じた手続きにおいてコストパフォーマンスが良いとされています。
ただし、債務総額が140万円を超える場合や、管轄が地方裁判所になる案件では対応できないことに注意が必要です。
費用を抑えたい場合は、手続きの内容や債務額を確認し、自分のケースに最適な専門家を選ぶことが重要です。

債務整理の費用相場を左右するポイント
債務整理にかかる費用は、一律ではなくさまざまな要素によって変動します。
この章では、費用相場を左右する主なポイントについて解説します。
債務額の大小
債務整理の費用は、債務額の大きさに大きく影響されます。
特に、減額報酬が設定されている場合、減額される借金の金額が大きいほど成功報酬が高額になる傾向があります。
たとえば、100万円の債務を減額する場合の成功報酬が10%だとすると、報酬額は10万円になります。
一方で、500万円の債務を減額する場合、報酬額は50万円となる可能性があります。
このように、債務額が費用に直接的な影響を与えるため、事前に見積もりを確認することが重要です。
手続きの複雑さ
債務整理の手続きの複雑さも、費用に大きく影響します。
たとえば、任意整理は比較的簡単な手続きであるため、費用が安くなる傾向があります。
一方で、自己破産や個人再生は、裁判所を通じた複雑な手続きが必要となるため、費用が高額になりがちです。
また、債権者の数が多い場合や、特定の債権者との交渉が困難な場合は、追加の手間がかかるため、費用が増加する場合があります。
依頼前に、自分のケースがどの程度の複雑さに該当するかを専門家に確認することが重要です。
依頼する専門家の経験や実績
依頼する弁護士や司法書士の経験や実績も、費用に影響します。
経験豊富な専門家ほど、費用が高く設定されていることがありますが、その分、スムーズに手続きを進められる可能性が高まります。
一方で、若手や経験の浅い専門家の場合、費用が安く設定されていることもあります。
費用を重視する場合は、実績と費用のバランスを見極めることがポイントです。
事務所によっては、事前に過去の実績や費用の内訳を説明してくれる場合もあるため、納得のいく専門家を選びましょう。

費用相場を抑えるための債務整理の進め方
債務整理にかかる費用を抑える方法はさまざまあります。
この章では、無料相談の活用や支払い方法の工夫など、費用を抑えるための具体的な方法を紹介します。
無料相談を活用する
多くの法律事務所や司法書士事務所では、初回の相談を無料で行っています。
この無料相談を活用することで、費用の目安や手続きの流れを確認することができます。
また、複数の事務所に相談して見積もりを比較することで、より安価で信頼できる事務所を見つけることができます。
無料相談の際には、以下のような点を確認すると良いでしょう。
- 費用の内訳と総額
- 手続きの期間
- 専門家の対応方針
無料相談は、費用を抑えるための第一歩として非常に重要なステップです。
法テラスの利用を検討する
費用を抑える方法として、法テラス(日本司法支援センター)の利用も有効です。
法テラスでは、収入が一定以下の場合、無料の法律相談や費用の立て替え制度を利用することができます。
例えば、弁護士費用や裁判所の費用が一時的に負担できない場合でも、法テラスを通じて手続きを進めることが可能です。
利用条件は収入や資産の状況によって異なるため、事前に条件を確認しておきましょう。
分割払いに対応している事務所を選ぶ
債務整理の費用を一括で支払うことが難しい場合、分割払いに対応している事務所を選ぶことも選択肢の一つです。
多くの事務所では、依頼者の負担を軽減するために柔軟な支払い方法を用意しています。
分割払いを利用する際は、以下の点を確認しましょう。
- 分割払いの回数や金額
- 追加料金の有無
- 支払い期限
分割払いを上手に活用することで、費用負担を軽減しながら債務整理を進めることができます。

債務整理の費用相場に関するよくある質問
債務整理にかかる費用については、よくある質問が多く寄せられます。
この章では、代表的な質問とその回答を解説します。
債務整理にかかる費用を分割で支払える?
はい、多くの法律事務所や司法書士事務所では、費用を分割払いで支払うことが可能です。
分割払いは、依頼者の経済的負担を軽減するための配慮であり、月々数千円〜数万円程度で支払える場合があります。
分割払いを希望する場合は、初回相談時にその旨を伝え、事務所が対応可能かどうかを確認しましょう。
費用を払えない場合はどうすればいい?
費用を支払うことが難しい場合、以下のような対策があります。
- 法テラスを利用する
- 分割払いを交渉する
- 自治体の無料相談窓口を活用する
特に法テラスは、低所得者向けに費用の立て替え制度を提供しているため、有力な選択肢となります。
相談だけでも費用が発生する?
相談料は、事務所によって異なりますが、初回相談を無料で提供している場合が多いです。
事前に電話やウェブサイトで確認し、無料相談を利用することをおすすめします。
法テラスを利用すると本当に費用が安くなる?
法テラスを利用することで、通常よりも費用を抑えることが可能です。
特に、収入制限を満たしている場合は、弁護士費用や裁判所費用が立て替えられるため、初期費用の負担が大幅に軽減されます。

まとめ:債務整理にかかる費用相場を理解して適切に対応しよう
債務整理にかかる費用は、手続きの種類や依頼する専門家によって異なります。
本記事では、費用相場の概要や種類別の費用、費用を抑えるための方法を解説しました。
債務整理を検討している方は、事前に費用の詳細を確認し、自分に合った手続きや専門家を選ぶことが重要です。
また、法テラスや分割払いなどの選択肢を活用することで、費用負担を軽減しながら手続きを進めることができます。
適切な情報をもとに、借金問題を解決する第一歩を踏み出しましょう。